陸奥新報社「望遠郷」へリレーエッセイ 最終回

青森で発行されている陸奥新報社「望遠郷」へリレーエッセイを1年間書かせてもらいましたが今回が最終回です。

今までありがとうございました。

最初にお話しを聞いたときは本当にいやいや無理でしょ~💦

とご紹介してくださった方に一度お断りしたくらいでした。

それがこうやって1年間続けてこれたのですから本当にわからないもんです。

青森の食に関することをキーワードに書いていたのですが、

3回目くらいで途切れまして笑、それからは自分のこれまでの歩みや東京に住んでいるからこそ感じる青森の魅力を書かせてもらいました。

青森へのラブレターですね。


でも10代は青森を誤解していました。

海外や青森以外の土地ばかりに目を向けて、いろいろ飛び回り、

妹に「おねえちゃんの職業は旅人だから」と言われるくらいでした。

よく落ち着いて見えるらしい雰囲気の人間らしいのに、なんと落ち着かなかった20代。

その時はもっと素敵な場所があるはず、と思っていました。


自然に囲まれた生活は退屈に、

車がなければ移動できない窮屈さに、

知り合いしか住んでいない状況に、

すべてが本当に狭いーーーと絶叫したくなる閉塞感。

そう思ったら、そうにしか周りが見えなくなるんですね。


今は自分にとって心地よい距離感を東京に住んでいることでとれていて、

素晴らしい土地だ!

とはっきりと確信が持てます。


10代でそうそうに青森を飛び出してしまったので、今になって青森の良さを知る友人たちから逆に教えてもらえて2倍美味しいな、と思います。


独特の文化が根強く残る青森。

神秘的な噂が絶えません。

岩木山を中心とするお山信仰。

方言の独特のリズム。

海の幸、山の幸に恵まれ、しかも米どころ。

なのに1年の半分以上は冬の耐え忍びの土地。

それを癒す隠れ温泉名産地。


面白い場所に産まれたもんです。


いつからか、自分が青森の魅力に心の底から気づいたときから

青森が私に沢山のご縁をつないでくれました。

ありがとう。

このリレーエッセイのお話もそうです。

相思相愛になれて本当に嬉しいです。

でも本当は青森はきっとずっと私に寄り添ってくれてたのに、私が無視し続けてただけなんですけど。そのくらい情の深い土地なんだと思います。


このお話のご縁をくださったのは定期的にブランチ会を開催させてもらっている

CafeNabeのオーナーご夫妻でした。

http://cafe-nabe.sakura.ne.jp/

ご紹介頂きありがとうございました。

素敵な経験をさせてもらいました。


(新聞の写真掲載は陸奥新報社様許諾ずみです。)

桜満開の挿絵をつけてくださました。

ありがとうございます。

弘前の桜が大好きです。


全文掲載

東京ではすっかり桜が満開で一部では散り始めてきています。気候も暖かくコートを着ていると汗ばむような季節になってきました。思い出すのは、私の母校の隣にある弘前公園の桜です。

 今まで見てきたどの桜よりも綺(き)麗(れい)で、これからがどんどん見頃になるかと思うと本当にわくわくします。当時、剣道部の練習場は弘前公園の中にあり、道場まで自転車で桜並木の中を通っていました。春夏秋冬、弘前公園にはよく行きました。

 雪のように校舎に舞い散る桜吹雪を見ると入学した時の記憶が蘇(よみがえ)ります。その幻想的な光景をとても懐かしいものです。

 そして、私が担当するリレーエッセーは今回が最終回です。最初にお話を頂いたときは、とても私には荷が重いと逃げ腰でした。しかし拙くとも青森への感謝を手紙にするような気持ちで取り組もうと思いなおし、1年間お世話になりました。毎回青森の記憶を思い起こす機会を頂きました。この企画のお蔭(かげ)で東京での〝青森〟にもとても敏感に反応するようになり、今まで意識してなかった郷土愛が芽生えました。

 高校を卒業してすぐに進学で上京したので、あまり青森の良さを知らぬままに出てきたのかもしれないな、と今なら思います。

 それでも、当たり前のようにねぷたの季節にはお囃(はや)子(し)の笛を練習し、太鼓を叩いて、衣装を着て踊る。それが当然のルーティーンだった子供時代。今でも身体(からだ)は動きます。何の疑問もなく文化を受け継いでいました。

 郷土に独自の歴史や文化があることは財産です。先日も特徴的であまり見たことがない作り方が満載の「あおもりの漬物」という書籍を実家から持って帰ってきたばかりです。

 青森の豊かな食材や自然に育まれ、現在の料理家/フードコーディネーターとしての道に繋(つな)がりました。

 私は沢(たく)山(さん)の人と接することが好きなので東京での暮らしが気に入ってますが、そのベースはやっぱり青森の素朴な風土と情深い土地柄があってこそ。長い冬を耐え忍ぶ力や湧き出る温泉の癒やしがあり、みんなご近所さん、という共同体で生活してきたこと。

 いずれも私には財産です。これからも青森出身であることを誇りに益(ます)々(ます)邁(まい)進(しん)していこうと思います。

 これまで読んでくださった方、掲載を喜んでくれた家族や友人たち、本当に感謝でいっぱいです。ありがとうございました。

(横山さんの執筆は今回で終了します)